指揮者・澤村杏太朗さん インタビュー


プリンスオペラ第一回公演「トスカ」。


みなさまのインタビューをお届けしております。


第8回は、指揮者・澤村杏太朗さんのインタビューです。


澤村杏太朗


千葉県出身。県立東葛飾高校を経て東京藝術大学を首席で卒業。卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞、若杉弘メモリアル基金賞を受賞。指揮を三河正典氏、高関健氏、山下一史氏、Vittorio Parisi 氏に師事。また、下野竜也氏、沼尻竜典氏、Fabio Luisi 氏、Stefano Ranzani 氏らのマスタークラスにおいて研鑽を積む。


これまでに、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、群馬交響楽団をはじめとした日本を代表するオーケストラと共演。


一方でオペラの分野にも精力的に活動し、《愛の妙薬》《椿姫》《ヘンゼルとグレーテル》《カルメン》《ラ・ボエーム》などの演目を指揮。特にクオーレ・ド・オペラでの長年にわたる活動が高い評価を得ている。


新国立劇場、藤原歌劇団、日生劇場などにおいて、副指揮者として多数の公演に貢献。


2025年度より愛知県立芸術大学声楽科非常勤講師、大学院オペラの指導と指揮を担当する。


2019-2022年、イタリア、ミラノにおいてジュゼッペ・ヴェルディ音楽院指揮科に在籍。2021年8月にイタリアで開催されたルイジ・マンチネッリ国際オペラ指揮コンクールにおいて、日本人として初めて優勝する。副賞としてジェノバ歌劇場ほか3箇所の本番での指揮が与えられた。



澤村さんにインタビューをさせていただいたのは、3/28(土)今牧組の初回稽古の直後でした。稽古場の熱気が冷めやらぬ中、お話を伺いました。



──初回稽古、おつかれさまでした。若手組である今牧組のみなさまと音楽をご一緒されて、どのようなことを感じられましたか?



「とても楽しみです。他の方々はもちろんですが、メインキャストであるトスカ、カヴァラドッシ、スカルピアをつとめる3人が素晴らしいですね。


カヴァラドッシの山本さんとは、以前に違うプロダクションでもご一緒したことがありましたが、トスカの今牧さんとは初めて。稽古を通じて、随所に音楽へのこだわりを感じます。


今回は『若い音楽家を育てていく』という明珍さんの考えに共鳴して、プリンスオペラに参加することとなりました。長くたずさわっているクオーレ・ド・オペラもそうですが、こうしたビジョンを持った団体とのお仕事には、特別な思い入れがあります。


《トスカ》のためだけではなく、これから他の演目を勉強するときにも役立つような助言を心がけています。」



──稽古前のお話で、プッチーニの音楽の特徴や、時代背景も踏まえた上でのテンポ指示など、楽譜を読み解くうえでのアドバイスをされていたのが、とても印象深かったです。今回は若手組とベテラン組、2組のキャストが揃っていますが、澤村さんの音楽づくりのプランをお訊きしてもよろしいでしょうか。


「組によって音楽を変えるつもりはありません。もちろん、人によって楽器は違うので、細かいテンポなどは微妙に変わることでしょう。ただ、基本的にはプッチーニの音楽、そして台本の言葉を最大限尊重したいと思っています。


《トスカ》は、その前に制作された《ラ・ボエーム》とは異なり、登場人物が心情を吐露するために時間が停止するという場面がほとんどありません。


幕が開いてから降りるまで、物語が矢継ぎ早に進行していくのが、《トスカ》の大きな特徴です。それを活かすために、音楽が停滞したり、落ち着いてしまったりしないように、勢いをもって表現したいですね。」



──稽古を拝聴する中で、澤村さんがこれまでの経験や学びの中で培ってこられたイタリア語への感覚や美意識に、感銘を受けました。澤村さんの考えるイタリアオペラの魅力を、お聞かせ願えますか?


「イタリアオペラの魅力は、イタリア語の持つ美しさに直結していると感じます。他の言語に比べて、言葉の滑らかさがレガートの歌唱表現に非常にマッチしているんですよね。


《トスカ》においては、ヴォーカルスコアとフルスコア、あるいは版の違いによって言葉がわずかに異なる場合がありますが、ミラノのスカラ座が公開しているリブレット(※オペラの台本)を参考にしています。」




──最後の質問です。代表の明珍さんから、みなさまへのご質問として預かったものです。『あなたが、音楽をする理由を教えてもらえますか?』


この質問に、しばし澤村さんは黙りました。深く考えられた末に、ゆっくりと口を開きました。


「好きだから、ですね。やっぱり、それ以外にはありません。

普通に生活しているだけでは得られない喜びを、音楽を通じて得ることができる。だからこそ、続けているのでしょうね。」


そう言って、澤村さんは笑顔になりました。


メンバーへの伝言をお願いすると、「楽しみましょう。そして、勉強しましょう!」というメッセージを預かりました。


そう、音楽家は生涯かけて学び続けるのですものね。



澤村さん、ありがとうございました。本番に向けて、どうぞよろしくお願いいたします。




プリンスオペラ第1回公演「トスカ」は、

2026年3月28日(土)・29日(日)

北とぴあ つつじホールで上演いたします。



公演情報はこちらをご覧ください。


チケットは2025年12月9日(火)10時より販売開始となります。


オンラインでのお申込みはこちらからお願いいたします。

◎ほくとぴあチケットオンライン

https://p-ticket.jp/kitabunka


みなさまと北とぴあでお会いできますことを、

心より楽しみにしております。






Prince OPERA

北区から世界へ。 プリンスオペラは 地域に根差した質の高い芸術を育て 世界に向けて発信していくことを 目指しています。